お盆が明けて
ここ1週間、(夏が繁忙期 )ということもあり)多くのご依頼・お問い合わせを頂いております。
その中でも、
テラステーション(TeraStation) や、リンクステーション(LinkStation) 等、
RAIDを組みNAS構成で使われている機器の、ご依頼・お問い合わせがここ最近多くなっています。
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive (もしくはIndependent) Disks、レイド)とは、複数台のハードディスクを組み合わせることで仮想的な1台のハードディスクとして運用する技術で主に信頼性の向上をねらって用いられるものなのですが、
データの損傷など障害が起きてしまった場合、復旧が難しい為、他のメディアに比べ復旧率が低く、また復旧費用も高額になってしまうことも多い為、
ご利用頂く際には、RAIDの構成と特徴を押さえて頂いた上でご利用頂くのが良いと思います。
RAIDの構成と特徴
RAIDのレベル(構成)は、RAID 0からRAID 6まで7種類ありますが、
実際に利用されるのはRAID 0、RAID 1、RAID 5が多いです。(弊社へのお問い合わせもほとんどこの3つです)
RAID0
RAID 0は複数台のハードディスクに、均等に分散したデータを同時並列的に読み書きすることで、データ転送速度の高速化と大容量化を実現したもの
1台のドライブが故障しただけでアレイ内の全データが失われてしまうため、信頼性は単体ドライブと比べて劣る
HDD障害発生時のデータ再現機能はないため、信頼性の向上は期待できない為、障害復旧能力は要ない場合などに適しています。
弊社ご依頼頂いたケースでも、復旧率が高くない為、大切なデータの場合出来るだけ違う構成をお勧めしております。
RAID1
レイド1は複数台のハードディスクに同時に同じデータの書き込みを行うことで、ディスク障害発生時には、同一のデータが記録されたディスク(ミラーリング)が代替として機能するもの。
一台が故障した際に、もう一方も同時に故障する可能性は低く、システムは稼動し続けることが出来ます。
ただし、複数台が同じデータを持っているので、扱えるデータ容量としてはアレイを構成するハードディスク容量の半分以下となります。
弊社にご依頼頂くケースでも、(2台構成の場合)2台中どちらか1方のハードディスクを復旧出来れば、データを復旧できますので、復旧成功率は高いです。
弊社は、RAIDの場合、ハードディスクの台数×復旧費用とさせて頂いておりますが、RAID1の場合(2台構成の場合)1台分の費用、もしくは通常のハードディスクの復旧費用と同じになります。
RAID 1+0
RAID 0とRAID 1を組み合わせた構成で、高速化、大容量化を目指したRAID 0と高信頼性を求めたRAID 1を組み合わせることにより、速度、容量、耐障害性の向上を図ることができる。最低4ドライブ必要。
RAID5
データからパリティと呼ばれる誤り訂正符号を生成し、データとともに分散して記録する方式
RAID1やRAID1+0に比べて使用効率に優れている。またRAID0のように複数のディスクに分散しているため読み出し性能が優れている。
ドライブ1台が故障した場合にパリティからデータを再生することが出来ます。
ただし、ドライブ1台故障時はパリティからデータを再生するため、性能が低下し、またRAID 0並みに信頼性が低い状態となります。
2つ以上のドライブが同時に故障すると回復できません
構成台数が多い場合、復元作業中にもう1台が故障し、回復不可能となってしまうケースがある ので注意が必要です。
弊社にご依頼頂くRAIDの中で一番多い構成です。
構成されているハードディスクの内1台が復旧不可の状態でも、その他のハードディスクが復旧出来ればデータの復旧は可能ですので、復旧の成功率は高いです。※2台が復旧不可の場合は、データの復旧は不可になります
但し、トラブル発生後の後処理により、復旧作業が難航、復旧不可となるケースも多いので、注意が必要です。
RAID(0を除く)は、ハードディスクの故障等物理的障害 に対しては、高い信頼性が得られますが、
人為的ミス(削除など)に対しては、信頼性を得られないケースが多く
例:RAID1で誤って削除をした場合、ミラーリングされているディスクも削除されてしまう為。
復旧も通常のハードディスクより難しいケースが多いです。
RAID等高い信頼性のある機器を使用する場合にも、定期的にバックアップを取ったほうがいいですね。