Mozilla を起源とし、オープンソースで開発が行われている電子メールクライアントである。プロジェクト開始当初は Minotaur と呼ばれていた。レンダリングエンジン Gecko を使用し、優れた描画性能、高速性、拡張機能、テーマ機能など拡張性に富む。Mozilla Suite あるいは Netscape の Mail/News と同様の機能を持つ。
RSSを取得・購読するためのRSSリーダーや、ベイズ理論による学習型迷惑メールフィルタ機能(受信時に迷惑メールと判断されたメールに迷惑メールの印を付け、設定によってはさらに「迷惑メールフォルダ」へ振り分けることも可能)、タブ表示インターフェイスを標準で備えるなど、他の電子メールクライアントに見られない独自の利便性を打ち出している。Outlook Expressなどの他の電子メールクライアントからの容易な移行機構も備える。2004年12月、2007年4月、2009年12月にそれぞれバージョン1.0、2.0、3.0がリリースされた。
Mozilla Firefoxと同じように、Geckoエンジン上にXULを用いて構築されており、そのため、マルチプラットフォームでありながら、開発ソースは単一である。またXULを利用した拡張機能が利用できる。ただし、Geckoエンジンに問題が発生すると、Thunderbirdも影響を受けるため、アップデートの必要性が生じてくる。
Outlook Expressなどのメールソフトに見られるような、左にフォルダ、右上部にメール一覧、右下部にメールの内容が表示されるという3ペインのインターフェイスをしている(設定により、2ペインに変更可能)。メールソフトとして利用できるプロトコルはPOP3、SMTP、IMAPである。それ以外には、ニュースグループの購読や、HTTPを通じてRSS、Atomの取得をしたり、RSSを通じてポッドキャスティングされたデータを取得することが可能である。
Thunderbirdのソースコードを利用した派生電子メールクライアントとしてEudoraの後継となるPenelopeが開発中である。