詳細なデータを収集し最適なストレージシステムの設計を実現
デル株式会社(本社:川崎市幸区、代表取締役社長:ジム・メリット)は、本日、バックアップの適正化、ストレージの階層化や災害対策の設計を最適化する、新たなストレージ・アセスメントサービスを開始することを発表しました。近年、企業が管理するデータは増加の一途を辿っていますが、これらのデータ保護基盤を強化することは、企業の重要な財産を守るだけでなく、日本版SOX法遵守などコンプライアンスの意味でも重要になると考えられます。
一般にバックアップは、システム構築当初に必要なデータを適切な頻度で保存するよう設計されています。しかし、システムの稼動後は、時間経過につれて利用方法や扱うデータが変化することもあり、バックアップが正しく機能していないケースも想定できます。
さらにこのような場合、何かトラブルが発生するまで問題に気づかないという事態も起こります。このため、実際のバックアップの状況を正確に評価し、必要に応じて対策をとることが重要になります。
デルが今回提供するサービスは、「最適なバックアップの設計」「階層化ストレージの設計」「災害対策の設計」の3つを実現するためのアセスメントサービスです。ストレージの稼働状況について詳細なデータを収集できるツールを導入して分析します。こうした分析データと、実際のファイルの内容を照合することで、現実に即した詳細なアセスメントが可能になります。
また、ストレージシステム更新の際にも、現状を詳細に分析し、必要な対策を考慮した上で設計することができるため、費用対効果を事前に確認した上で限られたプロジェクト予算を有効活用することができます。
データ保護要件を桙スす環境が実現できているかどうかを、実際のバックアップ状況や、顧客企業が利用しているバックアップソフトから得られる情報を基に分析します。
具体的には、「どのような時間帯にバックアップが行われているか、朝の始業前には終了しているか」「何度もバックアップに失敗していないか」「重要な情報のバックアップが取れているか、逆にほとんどアクセスされていないファイルを頻繁にバックアップしていないか」などの情報を定量化して分析・評価します。この結果に基づき、システムの最適化をするだけでなく、稼働率の低いバックアップサーバがあれば、サーバ統合を行いリソースを有効に使う、などの多角的な分析結果を含めてレポートします。
保存されているデータを、その重要度に基づき階層1から階層3までに分類します。バックアップの必要性が高い重要な階層1のデータについては、高性能のディスクに保存し、その下の階層のデータについては、容量を優先した安価なディスクに保存したり、テープドライブに保存することで、データの重要性に応じたストレージシステムの配置を行い、コスト削減を可能にします。
従来全てのデータを同列に扱っていた企業に対し、データのアクセス状況や属性を基にアセスメントを行い、ニーズに応じたカテゴリー化を行います。
災害発生時にも重要なデータが確実に利用可能なディザスタ・リカバリ(DR)環境を実現するためには、物理的に離れた場所へのデータバックアップが必要となります。この際、バックアップするデータのサイズとその頻度は、保存先のストレージだけでなく、転送に利用する回線の使用料にも影響します。日本では回線のコストが高額になることが多いため、各データのアクセス状況を基にアセスメントを行い、DR環境にかかるコスト削減を実現します。また、金融機関の取引情報や病院の電子カルテの情報などについては、危機管理やコンプライアンスの視点から、バックアップすべきデータを精査することが重要になります。デルでは、グローバルで提供し実証されたソリューションを日本にも適用することで、複雑なDR計画をより早く提案することが可能となります。
参照サイト
デル、データ保護基盤を強化するストレージ・アセスメントを開始(デルプレスリリース:2008/9/29)